インプッションシェア損失率(予算)と時間別の傾向

Google 広告・Yahoo!広告の配信で、インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合、「インプレッションシェア損失率(予算)を減らすべき理由」では、「夕方から夜間に広告の表示が大きく減る」と書きました。こちらの記事ではその理由を、1日の広告費は午前0時からカウントされるので時間が遅い夕方から夜間に予算が足りなくなりがちと説明しました。この件についてはよくわからない言葉でやっかみを言ってくる人がいます。そこで今回は、インプレッションシェア損失率(予算)が発生している状態とそうでない状態の、時間帯別の配信結果がどうなっているのかを解説します。

他社が運用をしていたアカウントを引き継いで運用することになり、そのアカウントが継続的にインプッションシェア損失率(予算)を発生させていたので、ひとつのアカウントでインプレッションシェア損失率(予算)が発生している状態と、インプレッションシェア損失率(予算)が解消された状態の両方の配信結果が取得できましたので、このアカウントのデータを使って解説していきます。今回も「インプッションシェア損失率(予算)」では長いので、「ISLoss(予算)」とも記載します。

※この記事は以前acssemble.comに掲載されていた記事の情報を更新して編集し直したものです。

ISLoss(予算)発生時の時間帯別の配信結果

まずは実際の配信結果を見てみましょう。

下の表は、インプレッションシェア損失率(予算)が77%発生していたキャンペーンの1ヶ月の配信結果を時間帯で分割したものです。数字は加工しておりますが傾向は変えておりません。また、0時から7時は配信をしておりません。

インプレッションシェア損失率(予算)の列を一見すると、インプレションシェア損失率(予算)がすべての時間帯で均等に発生しており、夕方や夜間に特に失っているわけではないように見えます。

仮に、インプレッションシェア損失率(ランク)がまったく発生していない場合を想定すると、実際に表示された回数に、予算不足で広告が表示されなかった回数を足すと、本来表示されるはずだった回数になります。つまり、実際に表示された回数と本来表示される可能性があった回数は上の図のような関係になっていることになります。

時間が遅くなるほど表示回数が少なくなっている

では、もう一度配信結果を見てみましょう。

実際の配信結果は、11時台が一番多く広告が表示されており、12時台以降の表示回数は右肩下がりになっています。インプレッションシェア損失率(予算)はすべての時間帯でほぼ均等に発生していますが、実際の表示回数は時間が遅ければ遅いほど少なくなっています

このアカウントは一般消費者向けの商品・サービスのプロモーションをしていたので、インプレッションシェア損失率(予算)が発生していたために、多くの消費者がインターネットを利用している時間帯にほとんど広告を表示できていなかったという状態です。

本来表示された可能性があった回数の求め方

8時台の表示回数は3,600回で、インプッションシェア損失率(予算)は87%です。簡単のためにインプッションシェア損失率(ランク)がなかった場合を仮定すると、インプレッションシェアは13%なので、インプレッションシェア損失率(予算)が発生していなかった場合に表示された可能性があった回数は
 3,600回 / 0.13 = 27,692回
になります。

一方、21時台の表示回数は102回でインプレッション損失率(予算)は52%です。つまり、インプレッションシェア損失率(予算)が発生していなかった場合、
 102回 / 0.52 = 196回
になります。

この数値が事実だとすると、8時台よりも21時台の方が、広告が表示される可能性があった回数(≒検索ボリューム)が少ないということになります。これはおかしいですね。

広告が表示される可能性自体が減っている

一般に、消費者の時間帯別の検索ボリュームは以下のような傾向を示します。

夕方から夜間に多くの人がインターネットを利用します。早朝は利用者が少なく通勤をする時間帯から少しずつ増え始めます。日中では昼休みの時間帯に山があり、仕事を終える時間から立ち上がり始め、21時台から22時台あたりでピークを迎えます。

それでは、実際の配信結果を改めて見てみましょう。以下のグラフは、インプレッションシェア損失率(予算)が発生していなかったときに広告が表示された可能性があった回数を示しています。

こんな検索ボリュームの推移の仕方をするキーワードをわたしは知りません。

インプレッションシェア損失率(予算)はすべての時間帯でほぼ均等に発生していましたが、それをもって広告の表示機会が均等に発生しているとは言えません。本来広告が表示されたはずの回数は遅くとも15時台あたりから立ち上がらなければおかしいですが、そうはなっておらず、12時台から右肩下がりとなっており、明らかに時間が遅くなればなるほど、広告が表示される可能性自体が減っています。

ISLoss(予算)が発生しているときは思ったよりも損失している

インプレッション損失率(予算)は、本来広告を表示できたはずの回数に対する予算不足が原因で広告を表示できなかった割合です。なので、実際に表示された回数とインプレッション損失率(予算)から、本来広告が表示された回数を逆算することが可能です。しかしながら、実際は本来広告を表示できたはずの回数も時間が遅くなるに従って減少しており、一般的な検索ボリュームの推移と比較して不自然な結果となっていました。

なので、インプレッション損失率(予算)が発生している場合は、インプレッション損失率(予算)の数字から推定されるよりも多く広告を表示させる機会を損失しています。実際、インプレッションシェア損失率(予算)が一桁台しか発生していなかったキャンペーンで、インプレッションシェア損失率(予算)を発生しないように調整し直したら表示回数は倍になったケースもあります。

ちなみに、同じ案件のインプレッションシェア損失率(予算)に関する対策前後の表示回数の比較をした結果は下図のとおりです。予算は同じです。

赤線が対策前、黄色線が対策後の時間帯ごとの表示回数の推移です。

もともと、インプレッションシェア損失率(予算)が発生していた大きな理由は、入札価格が不必要に高すぎたことでしたので、入札価格を適正な範囲まで下げたことで、11時台から13時台までは対策後のほうが表示回数が減少していますが、15時以降は対策後の方が圧倒的に表示回数が多くなっています。一般消費者向けの商品・サービスでしたので、予想通り夕方から夜間に多くのコンバージョンが獲得でき、同じ予算でより多くのコンバージョンを獲得できました。

インプレッションシェア損失率(予算)が発生している状態は、インプレッションシェア損失率(予算)の数値から想像できるよりも多くの損失が発生していますので、インプレッションシェア損失率(予算)は早急に解消しましょう。

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