運用者ならAND条件とOR条件は理解して欲しい

ご存知の通り、オンライン広告ではコンバージョン計測やターゲティングの設定が必須となり、これらの条件設定ではAND条件とOR条件を使い分ける必要がありますが、この条件設定がくせ者で、どんなに詳しく知っていても、運用のいわゆる成果改善にはあまりつながりません。ですが、知らないと初期設定ができません。かと言って初期設定が終わってしまうとその後はさほど必要なくなります。

ですから、案外運用経験が長い運用者でも、初期設定はオペレーターさんにやってもらっていたりすると、勘違いしていたり理解が追いついていなかったり、ということがありますので、条件設定でつまづきやすい「AND条件(かつ)」と「OR条件(または)」について、改めて解説します。

  • リスティング広告のコンバージョン計測がうまくいかない
  • Googleアナリティクスのイベント計測がうまくいかない
  • Googleタグマネージャーのトリガー設定がうまくいかない

といったお悩みがありましたら、ヒントになるかもしれません。

※この記事は以前acssemble.comに掲載されていた記事の情報を更新して編集し直したものです。

広告運用と「AND条件」と「OR条件」の関係

「AND条件」と「OR条件」は高校の数学でやったあれですね。

数学と聞くと抵抗感がある方もいらっしゃるかと思いますが、できる限り、数学っぽくならずに解説します。

「AND条件」と「OR条件」を日本語にすると、それぞれ「AND条件」は「かつ」、「OR条件条件」は「または」ですが、「かつ」とか「または」って表現があまりピンとこないと思います。数学では「AND条件」は「掛け算」とか「重なっているところ」とか言われたり、「OR条件」は「足し算」とか「両方のところ」とか言われたりで、余計さっぱりですね。わたしが今まで色々な方にご説明してきて、一番伝わりやすかったと感じる表現は、以下のような説明です。

  • AND条件:複数の条件が「同時に」満たされて欲しい場合に使うもの
  • OR条件:複数の条件のうちの「どれかひとつでも」満たされたらOKという場合に使うもの

同時に満たされて欲しいのか、どれかだけでも満たされればOKなのか、という考え方をすれば、「AND条件」と「OR条件」のどちらを使えばよいのか、わかると思います。

「AND条件」か「OR条件」かの判断例

次に、「AND条件」と「OR条件」のどちらを使うのかを、具体例を添えてご説明します。

「AND条件」の例

例えば、複数のページのお申込ボタンを設定していて、どこのページに設置されたボタンがクリックされたのか把握したい場合は「AND条件(かつ)」を使います。

  • 「URLが/◯◯.htmlのページを閲覧」という条件
  • 「リンク先が/△△.htmlになっているボタンをクリック」という条件

を、「AND条件(かつ)」で設定することで、これらが同時に満たされる場合、つまり、「/◯◯.htmlというページで、/△△.htmlに飛ぶボタンをクリックしたら」という条件を作ることができます。

「OR条件」の例

今度は、複数のLPを使っていて、それぞれお問い合わせフォームも、フォームの完了ページも別々だけれども、計測としては、「フォームからの問い合わせ」として、ひとつにまとめたい場合、つまり、どこのLPのフォームから問い合わせをされても「問い合わせ」というひとつのコンバージョンタグを発火させたい場合は、「OR条件(または)」を使います。

  • 「LP_1 のお申込みフォームの完了ページのURLが読み込まれた」という条件
  • 「LP_2 のお申込みフォームの完了ページのURLが読み込まれた」という条件
  • 「LP_3 のお申込みフォームの完了ページのURLが読み込まれた」という条件
  • 。。。

を、「OR条件(または)」で設定することで、これらのどれかひとつでも満たされる場合、つまり、「どのLPでも良いけど、どこかのLPの完了ページが読み込まれたら」という条件を作ることができます。

条件設定のよくある間違い

計測やターゲティングについて思い通りに行っていない場合、「AND条件」と「OR条件」の間違いが原因になっていることが結構多いように感じます。特に、「OR条件」で設定すべきところを「AND条件」で設定してしまっているケースが多いように感じます。

こう、落ち着いた場面で改めて「AND条件は同時に起こることで、OR条件はどれかでも起きれば良いんですよ」と言われれば納得できるとは思いますが、集中して作業していて視野が狭くなってくると案外間違えてしまうようです。

「and」の日本語訳が原因説

これは、きちんと検証したわけではない、わたしの個人的な印象ですが、「and」を普通に英語として日本語に訳すと「と」になることが原因のひとつかなと思っています。

例えば、「LP_1からフォームに行った場合【】LP_2からフォームに行った場合の両方ともコンバージョンとして計測したい」と考えた際に、なにげに「AND」にしてしまったりするようです。

仕様がわかりにくいことが原因説

特にGoogle タグマネージャーを使っている場合に陥りやすいミスのようです。Google タグマネージャーでタグが発火しない場合、複数のトリガーを「OR条件」で追加したつもりが、仕様により「AND条件」になってしまっている場合です。

Googleタグマネージャーの仕様は、ひとつのトリガー内に複数の条件を設定すると、それは「AND条件」になります。一方で、ひとつにタグに複数のトリガーを設定すると、それは「OR条件」になります。

と、言葉で書いてもわかりにくいと思うので、正しい例と間違っている例を載せます。

正しい設定の例と間違った設定の例

正しい設定例

特定のページが表示されているときに、電話番号がクリック(タップ)された場合にタグを発火させるためのトリガーの設定

「特定のページが表示されている」ということと、「電話番号がクリック(タップ)される」という現象は同時に起こるので、こちらの設定に間違いはありません。

間違った設定例1

電話番号が何らかの理由で複数存在するけれども、どの電話番号がクリック(タップ)されても、ひとつのコンバージョンタグを発火させたいときのトリガー設定

Googleタグマネージャーでは、ひとつのトリガー内に複数の条件を設定すると、それはすべて「AND条件」になります。なので、この場合の設定は、「ある電話番号がクリック(タップ)されること」と「もうひとつの電話番号がクリック(タップ)されること」が同時に発生するという起こりえない条件を設定してしまっています。電話計測ツールとかを使っていると陥りやすいミスかなと思います。電話番号が複数存在することになるので。

この場合は、「ある電話番号がクリック(タップ)される」か「もうひとつの電話番号がクリック(タップ)される」か、どちらかでも達成されたら発火する、という条件になりますので、「OR条件」で設定することになります。

間違った設定例2

フォームでの問い合わせを完了するか、電話番号をクリック(タップ)するか、どちらかが達成されたら、コンバージョンとして発火させたいときのトリガー設定

同じく、これも「AND条件」になってしまいますので、「フォームの完了ページが読み込まれる」ことと、「電話番号がクリック(タップ)される」ことが同時に発生するという、起こりえない条件を設定してしまっています。この場合も、「フォームの完了ページが読み込まれる」か「電話番号がクリック(タップ)される」か、どちらかでも達成されたら発火する、という条件になりますので、「OR条件」で設定することになりますね。

Google タグマネージャーでの「OR条件」の設定方法

Googleタグマネージャーの設定でつまづきやすい点ですが、Googleタグマネージャーで「OR条件」を設定したい場合は、それぞれのトリガーを作って、それらのトリガーをひとつのコンバージョンタグに設定する必要があります。

つまり、「電話番号をクリック(タップ)される」か、「フォームの完了ページが読み込まれる」か、どちらかでも達成されたらコンバージョン、としたい場合は、下記の作業をします。

  • 「電話番号をクリック(タップ)される」というトリガーを作成する
  • 「フォームの完了ページが読み込まれる」というトリガーを作成する
  • タグに、上記ふたつのトリガーを両方とも設定する

実際の画面ではこちらです。

このように、タグにトリガーを複数設定すると、そのトリガーは「OR条件」で追加されます。ポイントは、「OR条件」で設定したい条件は、ひとつひとつの条件を、それぞれトリガーを作成することです。

仕様理解が正しい広告運用の第一歩

運用型広告に関する金言があります。「運用型広告は思った通りにはなりません。設定した通りになります。」誰の言葉かと言うと、わたしの言葉です。

コンバージョン計測の設定でも、ターゲティング設定でも同じなのですが、思い通りに設定をするためには、思った通りになるように設定しなければなりません。そのためにはまず、設定したい条件は「AND条件」なのか「OR条件」なのかを考えられなければなりません。「センセーこんなこと勉強して社会に出てからなんの役に立つんですかぁー」の答えがひとつ出ました。さらに、それをその媒体・ツール上で実現するためにはどのように設定すれば良いのか、仕様を理解する必要があります。

よく、いきなり設定画面を開いて「わからない!」という方がいますが、よっぽどモグリの変なツールを使わない限り、しっかりヘルプに記載がありますから、まずはヘルプや説明資料を読んで、仕様を理解することをおすすめします。

しっかり理解して、思いを設定に反映できるようになりましょう。

この記事に対する質問や、「関してこんな情報発信を聞いたことがあるんですが本当ですか?」というような質問があれば、acssemble 新田真隆の質問箱からご質問ください。

https://acssemble.com/diagnosis.html

Google 広告のアカウント無料診断を実施しています。リンク先のページから事前打ち合わせにお申し込みください。感じられている課題や悩みなどをお伺いした上で、Google 広告のアカウントを診て状況や改善案をご報告致します。生の疑問・悩みを聞き、実際に運用されているアカウントを診ることに価値を感じていますので、売り込みなどはしませんから安心してご依頼ください。