「累積」の数値で運用型広告の傾向を把握する

運用型広告においては、配信状況の把握が何よりも重要です。配信状態の把握は、進捗だけではなく傾向の把握がとても重要なので、日別の数値をよく見ましょう。しかしながら、1日に獲得できるコンバージョンの数があまり多くないアカウントだと特に、日別の数字ではコンバージョン単価が改善傾向にあるのか悪化傾向にあるのか、そしてその変化率はどれくらいなのか、分かりにくいことがありますよね。今回は、そんなアカウントでコンバージョンの傾向を把握できる、「累積」の数値を含んだレポートを紹介します。

※この記事は以前acssemble.comに掲載されていた記事の情報を更新して編集し直したものです。

CPAの傾向がわかる日別レポートの案

まずは、現物を見て頂きましょう。

こちらが、わたしが実際に使用している日別レポートのサンプルです。
※数字は加工しておりますので、実際の配信結果ではありません。

一般的な日別レポートとの違いは、以下の3指標の列を追加していることです。

  • 累積CV:その日までのCVの合計
  • 累積Cost:その日までの広告費の合計
  • 累積CPA:累積Cost / 累積CV

累積CPAの計算方法

累積CPAは、「その日までの合計の広告費」を「その日までの合計のCV数」で割ることで求められます。ですから、計算としては、1日毎(レポート上では1行毎)に、「その日までの合計の広告費」と「その日までの合計のCV数」を計算する列をそれぞれ作って、これらを割り算する列を作ってあげれば計算できます。

使う関数は、「=SUM()」なのですが、絶対参照相対参照をうまく使いあげてあげるととても楽です。

累積CVを例にご説明しますと、P4のセルに入力する最初の関数は下図のようにします。

区間の始まりを絶対参照にして、区間の終わりを相対参照にしておきます。

この関数を下まで伸ばします。そうすると、P25セルの関数は下図のようになります。

区間の始まりは絶対参照なので動かずC4セルのままですが、区間の終わりは相対参照なので、C25セルとなります。なので、P25セルには、C4セルからC25セルまでの合計を計算する関数になってくれます。

これを広告費の列についても計算して割り算すれば、累積CPAを計算することができます。

CPAの傾向がわかる日別レポートの見方

先程の、わたしが使っている日別レポートの例にもどります。

注目していただきたいのは「累積CPA」の列です。

累積CPAは、その日までで見たときの、その月のCPAを表示しています。なので、このレポートの最後の日の4/22と下から3行目の「合計」のCPAは一致しています。

ここで注目していただきたいのは、4/18と4/20です。

同じCVが1件でも4/18は累積CPAが前日より高くなっており、CPAは上昇傾向にあったことがわかります。つまり、CVは取れているけれども、配信が伸びすぎているので入札価格を抑えたり除外KWを追加するなどの対応を検討しなければならない可能性があった日と判断できます。

一方で、4/20は同じCV 1件でも、累積CPAは下がっており、CPAは改善傾向にあったことがわかります。

他には、4/17はCVの獲得はありませんが、累積CPAはまだ1ヶ月を通じたCPAと近いところにあり、焦って何かをする必要はなかった日だということもわかりますし、同じCV獲得がなかった日でも4/14は累積CPAが大きく1ヶ月を通じたCPAを超えているので、前日・前々日にCPAを獲得できていたとは言え、入札価格を抑えたり除外KWを追加するなどの対応をするべきだった日であった、ということがわかります。

このように、「累積CPA」は配信結果を振り返るのに有効です。

CPAの傾向がわかる日別グラフの案

次に、わたしが使っている、「累積CPA」を含む日別のグラフをご紹介します。

青い縦棒が累積CV(その月のその日までの獲得CVの合計)で、オレンジ色の折れ線が累積CPAです。

4/8から4/11はCVの獲得がないので、累積CPAが高まっています。4/12にCVが獲得できて累積CPAが下がっています。このあたりは非常に累積CPAの価値がわかりやすいのですが、4/15のCVは獲得できたけど累積のCPAはあまり下がっていなことだったり、4/18のようにCV獲得があったにも関わらず累積CPAが上がっている日だったことがわかります。こういった日は、CV獲得があった日とは言え油断することはできず、調整が必要な日であったことは、累積CPAという見方をしないと気づきにくいものだと思います。

累積CPAを含めたグラフは、このように、ふり返りに使えます。

一般的な日別レポートの弱点

こちらは、先程のレポートを、一般的な日別レポートの項目に限定したものです。

獲得がなかった日と、平均のCPAを超えている日は、1ヶ月を通じてのCPAも上げていることはわかりますが、どれくらいなのかはわかりません。また、平均のCPAよりも低いCPAで獲得できている日は1ヶ月を通じてのCPAも下げていることはわかりますが、どれくらいなのかはわかりません。さらに、それぞれの日の時点でのCPAがどれくらいだったのか、どの期間はCPAは上昇傾向だったのか改善傾向だったのかもわかりません。

また、こちらのCV数とCPAを一般的な日別レポートのグラフにすると、下図のようになります。

表の場合は、「合計」のCPAがあったことで、1ヶ月のCPAを知ることができましたが、グラフにするとその月のCPAがいくらになっているのかよくわかりません。また、CPAが低く抑えらている日が続けばCPAは改善傾向なのはなんとなくわかりますし、CVがない日が続けばCPAが上昇傾向なのはわかります。ですが、CV獲得が断続的な箇所では、CPAが上昇傾向なのか改善傾向なのか、わかりにくいという弱点があります。

レポートで管理画面以上の情報を得る

今回は、わたしが日々の配信状況の把握と、ふり返りのために使っている日別レポートをご紹介しました。多くの場合、エクセルなどで作るレポートは管理画面でも見られるものを見やすくしたり、一覧にしたりしているもので、詳しい情報は管理画面を見ないとわからないことが多いでしょう。ですが、レポートは作り方によっては管理画面ではわからない情報を見ることができます。

レポートを顧客提出用などの報告のためだけではなく、改善のために使うことでよりハイレベルな運用ができるようになります。そのひとつの例として、今回は「累積」という考え方をご紹介しました。累コンバージョンに関しては「累積」を含んだレポートを作成すると、進捗だけではなく傾向の把握ができるので、日々の判断に役立つだけではなく、自分の運用をふり返ることもできます。

みなさんも、レポートを改善のために「累積」を含んだレポートを使ってみることをおすすめします。

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